データ可視化とは、一言でいうと「データに基づく知的活動や説得を支援するための技術と方法論」です。
データ可視化は、課題解決の近道である「課題は何か」、つまり「正しい質問は何か」という仮説構築を後押しします。人間の直感と機械の処理能力を組み合わせ、より効果的で信頼性の高いAIシステムのあり方を実現します。タイムリーな判断が求められる場面でも、複雑な情報を直感的に理解しやすい形式に変換して意思決定を強力に支援します。
また、データ可視化はデータを通じて現実のある現象をストーリー化し、効果的に伝えられます。視覚的な表現は理解しやすく、記憶に残りやすいため、説得力のあるコミュニケーションを実現します。さらに、データ可視化を作る人が導く体験とそれを使う人が主体的に探索する体験を組み合わせることで、より深い理解と共感を生み出せます。
データ可視化はビジネス、データサイエンス、社会科学、人文科学、自然科学などさまざまな領域で実践されています。同時に、情報デザイン、コンピュータサイエンス、データサイエンス、統計学、記号学、インタラクションデザイン、ストーリーテリングなどいろいろな分野に知見が散在しています。
こうした分野・領域を総合的に見分し、データ可視化の歴史的な経緯や研究成果の積み重ねによる知見を参考にしながら、データ分析の結果としてのデータ可視化や、プレゼンテーション術の一部として語られることの多かったデータ可視化について、より多面的・実践的に活用できる基本的な知識体系として執筆しました。
data_momoさん(amazon.co.jpレビュー)
可視化において最もわかりやすい成果物は「洗練された図表」であり、その実装コードが可視化人材にとっての直接的武器であることを踏まえると、一部厳しいレビューが付くのは仕方がないのかもしれません。
本書は、個別の武器提供に留まりがちな可視化の現状を克服し、可視化の真のポテンシャルを解放させようとする大変意欲的かつ挑戦的な一冊だと感じました。
eTeaさん(amazon.co.jpレビュー)
個人的には網羅的かつ読みやすい良書でした。実務・趣味の双方でデータ可視化に触れているのですが、これまで自身の感覚のみを頼りにやってきたので、「何のために可視化するのか」「自分の可視化アプローチは果たして適切なのか」といった基本に立ち返るための学びを随所で得られました。
Dayさん(amazon.co.jpレビュー)
正直なところ、よくあるデータ可視化でわかりやすく示すという本かと思っていました。しかし出だしから既に様相が違っていて、至ってまともに可視化に関して語られています。さながら学問体系という体裁が整った風格すらありました。ビジュアライゼーションは学問としては不遇な分野ですが、誰もが使うツールの基礎として学んでおくべきかと思います。
大田和 哲也さん(昭和女子大学現代ビジネス研究所)
データ可視化の意義が、手の込んだグラフィック手法を駆使して単に分かりやすくする事ではないとアカデミックなロジックで知らしめて頂いている点に感銘しました。この本が、単にデータサイエンティストやビジネスパーソンだけでなく、旧態依然が未だ散見される人文社会科学分野の研究者や学生の間でも広く読まれる事を期待しています。
Amazon カスタマーさん(amazon.co.jpレビュー)
データ可視化BOKって感じです。自分の中のデータ扱う仕事についたら、とりあえずこれ読んだきましょうかって本の仲間入りしました。可視化の本を読み漁る前に出会いたかった良い教科書だと感じました。
南 知宏さん(amazon.co.jpレビュー)
長年コンサルとしてデータの可視化は悩みの種でした。本書は可視化の手段を網羅的にカバーしているだけでなく、目的による使い分けの考え方も書かれていて、若手のコンサル向けの教科書として最適なだけでなく、シニアなコンサルやプロマネにも参考になる本だと思います。
moさん(機械学習エンジニア)
常々、業務でデータ可視化の重要性を痛感することが多々あり、人間の目の優秀さには驚くばかりです。書籍は内容が濃いので、少しずつ読み進めています。個人的には、HowTo本よりも教科書的な物を求めているため、ちょうど良い内容です。高校生の息子にも読ませます。
株式会社ビジネス・アーキテクツにてユーザー・インターフェイス・デザイナーおよびアート・ディレクターを7年間経験後、独立。企業や教育機関での講義活動、ウェブサイトVisualizing.JPにおける情報発信、コミュニティData Visualization Japanにおけるコミュニティ活動など、データ可視化の実践と普及に関するさまざまな活動をおこなっている。共著書に『RESASの教科書』(日経BP、2016)がある。千葉工業大学デザイン科学修士修了。データ・ビジュアライゼーション・ジャパン発起人/Yahoo!ニュース・エキスパート。